2022/07/13 17:18

 
ハーブを元気に育てる第一歩は、ハーブに適した土選びや土作りから。土は、植物の育ち方や香りにまで影響する重要な要素です。ハーブ用土作りの方法や初心者におすすめのハーブ用土について解説。ハーブ向け土作りのコツや用土を知って、ハーブ栽培をもっと楽しみましょう。鉢植え派、庭植え派両方が知りたい情報をまとめました。


ハーブの土作り・土選びの基本と考え方

 
・水はけ(排水性)のよい用土を準備する
・初心者であれば、ハーブ用の土やハーブ栽培キットを選ぶ

ハーブの土作りや土選びで、最初に押さえたいポイントは上記2点です。なかでも、用土の水はけは基本中の基本です。水はけがいいと根腐れを防ぎ病害虫の危険性が減ります。ハーブ栽培初心者にもっとも手軽な方法は「ハーブ用の土」や「ハーブ栽培キット」を利用することです。特におすすめは、ハーブ専門店が販売している「栽培キット(苗なし)」。専門店が特注したハーブ用の土と肥料、プランターがセットになっています。用土は集合住宅のベランダで育てる場合にもぴったりです。苗を用意するだけですぐに栽培が始められます。

土づくりから始めたい場合は、ハーブの種類に応じた土作りができると栽培の奥深さが楽しめます。ハーブに適した土の種類やハーブの種類に応じた土作りの考え方を解説します。


ハーブ栽培に適した土の種類を解説<基本は赤玉土6:腐葉土4>

ハーブの土は「赤玉土」などベースになる土と補助的な資材を組み合わせて作ります。基本配合は、赤玉土6:腐葉土4。初心者の方は基本配合からはじめ、他の資材を加えながら水はけや水持ちを調整します。

用土(資材)の名前と特徴・効果
赤玉土
ベースの土として使用される。排水性、保水性、保肥力が高い。粒の大きさが大きいほど、水はけが上がり水持ちが下がる。

桐生砂
ベースの土として使用される。排水性、通気性が高い。

腐葉土
枯れ葉を微生物分解で熟成させた補助資材。排水性、保水性、通気性、保肥力を高める。土壌を豊かにする。

堆肥
牛ふん、鶏ふんなどを微生物分解で熟成させた補助資材。排水性、保水性、通気性、保肥力を高める。土壌を豊かにする。

バーミキュライト
パーライト
いずれも鉱石を焼いて加工した無機物の補助資材。非常に軽く、排水性、通気性を高める。

ピートモス
水こけを乾燥させた補助資材。通気性、保水性を高める。ph調整されていない商品は、土壌を酸性に傾ける。

石灰
土壌のphをアルカリ性に傾ける。

肥料
窒素・リン酸・カリウムを含み、ハーブの成長を促す。有機肥料と化成肥料がある。


乾燥気味を好むハーブと乾燥を好まないハーブで用土を変えてみよう

ハーブは大まかに、「乾燥を好むハーブ」と「乾燥を好まないハーブ」に分けられます。植物は原産地の気候や土壌に合った土質を好むため、こういった違いが生まれます。地中海地域やヨーロッパ原産のハーブは、乾燥した水はけがよくアルカリ性の土質を好みます。一方で、熱帯地域や森の中に分布するハーブは、乾燥を好まず腐葉土が多めである程度水持ちのよい土質が適しています。

乾燥気味を好むハーブ
・ラベンダー
・ローズマリー
・タイム
・セージ
・カモミール

乾燥を好まないハーブ
・ミント
・バジル
・レモングラス

乾燥を好まない場合でも、根腐れ防止のため用土にはある程度の水はけのよさが必要です。常に水がジメジメしている土で栽培するのは避けましょう。


ハーブの土作りで陥りやすい失敗や注意点!肥料の与えすぎに注意

 
ハーブは基本的に「野草」のため、肥料をそれほど必要としない品種が多いです。元肥や追肥は控えめに管理するとトラブルが起きにくくなります。むしろ他のガーデニング草花と同じ調子で肥料を与えすぎると枯れることもあるため要注意。市販の「ハーブ用の土」にも一定の肥料が含まれているため、月1回程度の追肥で十分です。


ハーブの土作りをしてみよう!配合例や庭植えの土壌改良手順を解説

 
ハーブに合う土の用土配合例を紹介します。


水はけのよいバランス型用土
(土質の傾向)
・ベースは赤玉土6:腐葉土4
(配合例)
・パーライトまたはバーミキュライトを全体の1割ほど混ぜる
(ハーブ)
・ミント
・レモンバーベナ

乾燥気味の用土
(土質の傾向)
・ベースは赤玉土と桐生砂を混ぜたもの6:腐葉土4
(配合例)
・パーライトまたはバーミキュライトを全体の1~2割ほど混ぜる
(ハーブ)
・ローズマリー
・ラベンダー
・タイム

水持ちがいい肥沃な用土
(土質の傾向)
・ベースは赤玉土6:腐葉土4
(配合例)
・有機質を増やすため堆肥を加える
・ピートモスを全体の2割ほど混ぜる
※ph調整されていないピートモスを加える場合は、石灰を少量混ぜる
(合っているハーブ)
・バジル
・レモングラス



次に地植えでハーブ栽培する場合の土作り手順を紹介します。プランター栽培と違い元々ある土がベースになるため、最初に土壌を整える作業が必要になります。

1.50センチほど下まで十分に耕す
2.粘土質土壌など水はけの悪い土地(雨が降ったときに水がひかない)の場合、赤玉土や桐生砂など通気性のよい土を投入して排水性を改善する
3.堆肥や腐葉土を1㎡につきバケツ1杯ほど加える
4.肥料を加えて、土壌をよく混ぜる
5.土壌をアルカリ性に調整する場合は、土の表面が薄っすらと白くなる程度に石灰を軽くまく
6.土が落ち着くまで、1~2週間ほど置いてから植え付ける